上石田の家


 築34年の木造2階建て事務所併用住宅の大規模改修です。既存部は住宅部分の設備機器が10年以上使用されていなかったため老朽化が著しく、その全てを入れ替える大規模な改修工事が必要となりました。事前調査で構造部材の著しい損傷等が見つからなかったのでコストと工期の圧縮のため「屋根」「外壁」「1階土間以外の床」は撤去しないという方針のもと設計を進めました。また事務所機能を継続させるため、移転先となる1階西側のスペースを先行して完成させ、移転後に残りの部分に着手するという工事計画を立てました。

 改修後は事務所と4人家族のための住宅となります。1階は日常生活において靴を脱ぐ以外の行為を特別必要としない「玄関」を小さな部屋として細かく区切らず広々とした多目的なスペースとして設えました。下写真の引き戸レールから手前は6畳ほどの個室として仕切ることができます。家族の成長に伴いその時々で必要な用途に合わせて利用できます。兄弟の遊び部屋、子供の個室、セカンドリビング、シアタールーム、ミニバイク置き場といった利用が想定されています。引き戸により個室が仕切られた際には中央の引き戸から螺旋階段につながるスペースが玄関ホールとして機能します。

 土間には全面に床暖房を設置しています。コンクリートの土間は熱容量が大きく一度蓄えた熱をゆっくりと放熱します。一階の土間から放熱された熱は、吹抜けを上昇し家全体へ広がります。床暖房とエアコンを併設した暖房計画は吹き抜けや高い天井でつながる住宅の温熱環境課題に対する一つの回答と考えています。

 2階は料理が好きな家族のためにDKをメインに計画としました。休日は家族で料理をしダイニングテーブルを囲みます。家の中心に大きなテーブルの周りに自然と人が集まり、ダイニングルームがそのままファミリールームとなるライフスタイルの提案です。

 限られた面積をより開放的に感じられるようにトイレ、寝室以外のスペースを視覚的にオープンに配置しています(脱衣・入浴時は簡易間仕切りにより必要な方向からの視線を遮ります)。壁仕上げは耐震補強も兼ねた構造用合板仕上げとし、1階と2階で塗料及び塗装方法を変えることで雰囲気に適した表情となるよう工夫しています。

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 築34年の木造2階建て事務所併用住宅の大規模改修です。既存部は住宅部分の設備機器が10年以上使用されていなかったため老朽化が著しく、その全てを入れ替える大規模な改修工事が必要となりました。事前調査を行いコストと工期を圧縮するために「屋根」「外壁」「1階土間以外の床」は撤去しないという方針で設計を進めました。また事務所機能を継続させるため、移転先となる1階西側のスペースを先行して完成させ、移転後に残りの部分に着手するという工事計画を立てました。

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 改修後は事務所と4人家族のための住宅となります。1階は日常靴を脱ぐ以外の行為を必要としない「玄関」を小さな部屋として細かく区切らず、広々とした多目的なスペースとして設えました。下写真の引き戸レールから手前は6畳ほどの個室として仕切ることができます。家族の成長に伴いその時々で必要な用途に合わせて利用できます。兄弟の遊び部屋、子供の個室、セカンドリビング、シアタールームといった利用が想定されています。引き戸により個室が仕切られた際には中央の引き戸から螺旋階段につながるスペースが玄関ホールになります。
 土間には全面に床暖房を設置しています。コンクリートの土間は熱容量が大きく一度蓄えた熱をゆっくりと放熱します。一階の土間から放熱された熱は、吹抜けを上昇し家全体へ広がります。床暖房とエアコンを併設した暖房計画は吹き抜けや高い天井でつながる住宅の温熱環境課題に対する一つの回答と考えています。

 2階は料理が好きな家族のためにDKをメインに計画としました。休日は家族で料理をしダイニングテーブルを囲みます。家の中心の大きなテーブルの周りに自然と人が集まりダイニングルームがそのままファミリールームとなるような暮らしをイメージしています。
 限られた面積を開放的に感じられるようにトイレ、寝室以外のスペースを視覚的にオープンに配置しています(脱衣・入浴時は簡易間仕切りにより視線を遮ります)。壁仕上げは耐震補強も兼ねた構造用合板仕上げとし、1階と2階では異なる塗装方法とし表情を変えています。

建築概要
用  途:事務所併用住宅
建築面積:64.46㎡
延床面積:113.02㎡
構造規模:木造2階建て