日本民家園

 川崎にある日本民家園に行ってきました。自分としてのテーマは部位ごとの材料の使い方と、間取りを見ながら当時の生活スタイルを想像することでした。
天気もよく気持ちの良い日でしたが敷地内は起伏が多く普段の運動不足を思い知らされました。

 石、木、土、藁、竹といった身近な自然の中にある材料を適材適所に加工し生活スタイルにあった場所を生み出していく。工夫を重ねながら道具や技術を進化させ空間を獲得してきた歴史に思いを巡らせました。
 必要な生活スペースを大きな屋根で覆うために断面の大きな構造材が用いられています。柱に使う真っ直ぐな材は高価だったようで梁には曲がった材が用いられました。軒先を支えるための強度を有した根本の曲がった材は斜面を利用して育てました。丸い木を加工して板を作るのは手間がかかるので重要でない部分は竹などの線材を束ねることで面を作り出しています。茅葺屋根を蝕む害虫を追い払うために囲炉裏で火をおこし煙を上げて家全体を燻します。その煙により柱や梁も丈夫になります。

 20数点の民家を廻るうち、その「人の営み」=「家の在り方」となる(ならざるを得ない)関係性が自然体で美しいと感じました。
現代ではそういった家と人の本質的な関係は希薄なったような気がします。化学技術により性能を高められた多くの材料も開発され自然素材を使う必然性はなくなりましたがその反面、人の手が感じられなくなりました。優れた製品は大いに活用しながらも、材料の製造、加工から施工までのプロセス、空間構成からそこで営まれる住まい方において人から家に、家から人に積極的に作用し合いながら共に成長する関係性を作りたいと考えました。

 民家園を一通り見学した後、川崎民家園から足を伸ばして旧白洲邸「武相荘」を訪れました。民家園で見た民家とほぼ同じ間取りの中に昭和初期の文化人の暮らしぶりが展示されていました。
 土間に床暖房を入れタイルを貼りソファを置くなど、昭和初期とは思えない暮らしぶりが垣間見られ、家づくりは暮らしを形(空間化)にするという側面と、形を(スペースを)自分に合った暮らしに取り込むという側面があるのだと再確認できました。



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2018年03月10日|日記:見学