2/22日晴れ。ソーラーシステム「そよ風」を搭載した長屋の見学に行ってきました。冬の寒い時期にこのシステムがどの程度有効かを実際に体感するためです。ソーラーシステムそよ風とは、太陽熱や夜間の放射冷却など自然のエネルギーを利用して室内の温熱環境を整えるパッシブなシステムです。
以下メーカー資料による説明の抜粋です:「冬は日中の太陽熱を利用して屋根面で暖かい空気をつくります。夏は夜間の放射冷却を利用して屋根面で涼しい空気をつくります。つくられた暖かい空気や涼しい空気はファンで床下に送られ基礎の土間コンリートに蓄熱・蓄冷されます。床下に送られた空気は床拭き出し口を通じて室内に取り込まれ、室内全体を一日を通じて快適な温度に保ちます。」
この日は天気がよく日中は外にいても暖かい陽気だったのでそよ風を搭載していない共用部の室内でも十分暖かく感じられていました。そよ風の設置された住戸に移動した際効果が感じられたのは住戸北側のスペースです。通常は温度差が生じる北側のスペースやトイレ内部も近くに設置された吹き出し口により、南側のリビングとほとんど温度差を感じることはありませんでした。空気吹き出し口に手をかざすと風が出ていて直上の温度を測ると22℃となっていました。
住人の方はコンクリートに囲まれた都会では同じようには暮らせないだろうと言っていましたが、見学させていただいたお宅ではエアコンは設置されていませんでした。暮らしぶりを尋ねると夏は林を抜ける涼風を取り込むことで涼しく、冬はペレットストーブを毎日利用するとのことでした。
「そよ風」だけではエアコンの変わりとはいかないようですが、もともとの敷地の力と生活の工夫で自然に寄り添う暮らしを実現されているのだと感じました。
写真左:里山長屋遠景。手前が共用棟。奥には4世帯が長屋暮らしをしています。 写真右:共用棟玄関土間空間。直射を受けポカポカと暖かい。
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