エアコンのいらない家


 これまで建築的な工夫によって自然エネルギーを活用する手法などに触れてきました。そこで、

「エアコンのいらない家」自然のチカラで快適な住まいをつくるしくみ / 著者:山田浩幸 発行:株式会社エクスナレッジ


 を紹介したいと思います。この本の著者である山田浩幸氏とは荒木毅建築事務所のスタッフ時代に担当プロジェクトの設備設計を依頼し共同させていただいたという縁があります。環境というテーマには学生時代から意識はありましたが、実務において実際にどのように考えられ、取り組まれているのかを初めて経験した現場となりました。早い時期に一線で活躍されている設備設計者と共同する家づくりを経験できたことは自分にとって貴重な経験となりました。

 この本はその後偶然書店で見かけた際に購入したものです。プロジェクトを共同したのは初版が出版される以前でしたがその時のエッセンスが多く記されています。快適な温熱環境とはそもそも何か、その実現にはどのような手段があるか、という内容がイラストを多用し建築に関する知識のない一般の方にとっても分かりやすく説明されています。既存住宅で使える内容も紹介されているので興味のある方は読まれてみては如何でしょうか?


 


以下に内容を一部紹介します。

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次のうち最も日射熱遮蔽効果が高いのはどの方法でしょう?

 1、すだれ・よしずなどによる外部遮光
 2、ブラインドなどの内部遮光
 3、ガラス性能のUP(Low-Eガラス)による遮光



正解は 1>3>2
 外部遮光ではおよそ80%、Low-Eガラス(遮熱タイプ)ではおよそ50%、ブラインドによる内部遮光ではおよそ30%の遮熱効果があるとされています。
さらに夏の窓を太陽から守るアイテムベスト5が紹介されています。


第一位 ヨシズ
 日射を防ぐには屋外でのプロテクターが効果的です。値段も安く既存住宅でもすぐに採用することができます。

第二位 可動ルーバー雨戸
 ルーバーの角度を調整するだけで雨戸を閉めたままでも日差しを調整したり、風を取り入れたりできます。既存の雨戸と簡単に交換できます。

第三位 断熱ブラインド
 断面が蜂の巣状になっている断熱性能に優れたブラインドです。冬の断熱効果に特に優れています。

第四位 障子
 夏の遮熱性能はそこそこですが、冬の断熱性能は高い昔ながらの建具です。障子=和風と思われそうですが、デザインを工夫したり障子紙の代わりにポリカーボ ネートなどを使用すれば洋風のデザインにも対応できます。

第五位 外部ブラインド
 ヨシズと効果は同様ですが価格が高いとのこと。

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2017年02月04日