Vol.1 T邸(長松寺の家)

TOPICS
お気に入りの動線計画  ・旅館みたいと言われます  ・土間の快適性  ・悩まれた敷地選び  ・住んでからの不満がない!

※以下話し手は、ご主人様=主、奥様=奥、名執=名としています。

TOPICS
お気に入りの動線計画
旅館みたいと言われます
土間の快適性
悩まれた敷地選び
住んでからの不満がない!


※以下話し手は、ご主人様=主、奥様=奥
 名執=名としています。

お気に入りの動線計画

:先日(写真撮影時)のお話でウォークインクローゼットから洗濯室辺りの動線計画が特にお気に入りだと伺いました。
:私たちの生活では帰ってきてまず上着を脱ぎルームウェアに着替えます。その時にわざわざ2階の寝室へは行きません。
  逆に朝起きてやることはトイレに行って、顔を洗って、着替えてご飯を食べる。うちは大体いつもこうなんです。ですから寝室の横
  あるウォークインがよく分かりません。普通は一番先に着替えるんですかね? (笑)
:普通はと聞かれても困りますが、起きてすぐに着替えるのは寝巻き姿を他人に見られたくないからでしょうか?
  しかし 確かにおっしゃる通り夫婦以外ではそんな場面はないのかもしれません。来客がわかっていれば先に着替えを済ませておく
  けですね。
:そうなんです。だからウォークインと洗面・洗濯室、浴室が1階につながって集約されている動線がとても気に入っているんです。
  り合いに見せたところ同じような間取りにしたウチがもう2件あるんです
:この計画は、冬を如何に快適に過ごすか?から設計を始めました。その過程において一連の動線を1階に集約したいというご要
  あり、それらを東側にまとめることで温熱環境計画上の空気層として計画しています。この動線部分だけを切り取って他のでうま
  くいくかどうかは疑問です。敷地の条件が異なるからです。例えばこの部分的な動線計画を取り入れることでグが使いづらく
  なるようでは本末転倒というわけです。部分の寄せ集めではなく全体を総合的に判断することが大切です。今回のお話で建築体の
  コンセプトと利便性が一体となって実際に機能しているというのは、設計者としてはとても嬉しいご意見です
  こ計画ではそれらが上手くはまったという感覚があります。

左:ウォークインクローゼットから脱衣洗面洗濯室を経て浴室を見る。トイレ・洗面に面する土間から入ってルームウェアに着替えてキッチンへ抜けられます。右:洗面奥にはトイレがありウォークインクローゼットへの入口があります。テレビの裏側がウォークインです。

旅館みたいと言われます

:遊びにこられた方の反応などはどうですか?
:皆さん褒めてくれますね。もっとも新築の家に遊びに来て悪く言う人もいないですかね (笑) 。自分達は全く意識していなかったので
  すが「旅館みたい」と本当によく言われます。
:自分たちはそんなに旅館に行くわけじゃないので、特にそう意識したこともなかったんですが。畳が目立つからなんとなくそういうふ
  うに言われるのかなと。
:僕の印象ですが、まず良い意味で生活感がないです(笑)。モノが少ない。以前のアパートを見せてもらった時にもモノが少なくて驚き
  ました。収納を多くしたいとよく言われますが、普段の生活で本当に要るものって実はそんなにないのでは?と思っています。収納を
  増やす程リビングなど暮らしの中で重要な部屋が狭くなってしまいます。ですから打ち合わせではモノを増やさない生活をお薦めする
  ことが多いのですがここは全く心配していませんでした 。
   次に、設えが上手です。家具はもちろん食器や小物類まできちんと選ばれています。おもてなしの精神だと思うのですがインテリア
  を美しく保つには大切なことです。最近では応接間などの接客用の部屋も少なくなり、実際の機能としても接客が必要なくなってきて
  います。おもてなしの文化そのものが薄れているように感じていますが、日常の生活を美しく飾って過ごすことはなにより住まい手さ
  んにとって気持ち良いことだと思うんです。Tさんの場合には、その当たり前にされている「おもてなし」の設えが旅館の雰囲気にも
  つながっているのだと感じています。

上左:階段に光が射し込み土間の奥を明るく照らす。上中:土間よりキッチンを見る。上右:洗面より玄関を見る。
下左:下駄箱上の鉢植え。下右:整理された調理器具。

土間 (縁側) の快適性

:最初からの寒さを気にされていましたが、モルタル仕上げの土間空間はどうですか?
:冬、休日の昼間はロールスクリーンを全開にしておくんですが暑いくらいですね (笑) 。畳で過ごす場合には障子を閉めて直射を遮れ
  るので必要に応じて調整しています。
:弟が1月の中旬に来て半袖一枚でした (笑)。 今までのアパートでは有り得ないことでした。
:朝イチは確かに寒いです。でもどこでも同じというか、モルタルだから特に冷えるという感覚はありません。入浴後は暑いので冬でも
  土間のヒンヤリ感を楽しんでいますね (笑)
:逆にはどうでしょう?
奥・主:涼しいです。
:足元がヒンヤリして気持ちよく過ごせます。日中は基本的にロールスクリーンをずっと下ろしていますかね。
:南側には庇を大きく出すことで夏場のきつい直射を遮るよう配慮しています。それでも日射のきつい時期などは、スダレなどを吊るし
  外部で遮蔽するのが効果的です。空調機の効きはどうですか?
:電気代が6,000円を超えたことがないです。主人はお風呂から上がってくるとエアコンを止めてしまいますし (笑)。
  吹き抜けがあることを心配していたのですがあまり気になりませんね。今は吹き抜けがあって良かったと思っています。
:安心しました。快適さは人によって異なるので心配でした。吹き抜けは風通しも良くしています。空気を動かす場合には2階寝室 (北
  側) の窓を開けていただくと効果を実感いただけるかと思います。

吹き抜けから土間(南面)を見る。午前11時頃の光。モルタルに熱を当てようと意識してロールスクリーンを上げて使って頂けているとのこと。この日(1/22)も椅子に座っていると上着を脱いでもポカポカでした。

悩まれた敷地選び

:家づくりが進んでいく過程で不安なところなどありましたか?
:敷地面積が52.8坪というのが不安でした (笑)。 住宅メーカーが区画で売るのは60ちょっととかが多いんです。建坪30坪というのも
  周りに比べてちょっと小さい印象がありました。でもできてみると全然狭く感じない。やりようだなと思いました。
:僕の場合は家での自分の行動を考えるとゴロっとできる場所があって、あとは基本的に必要なものがあればいいと思ってたので30坪
  という数字でどうということはなかったですね。
:今回は土地は先に決まっていましたね。都内での経験から言えば敷地面積60坪だなんて贅沢だと思ってしまいます。都市部では敷地
  面積が30数坪という土地に様々な工夫をして家を建てています。そういった価値の比較は敷地選びの段階から僕らが言えることかな
  と思っています。例えば路線価などから判断される不動産的な土地の価値と建築を建ててから生活をしていく快適さという価値は異な
  るからです。
  安くていい家が建てられる土地と、高いうえに家を建てるには工夫を要する土地もあるので見極めが必要です。
:よく聞くのは65~70坪で70坪あればまぁ安心だねという声が多いです。旗竿敷地で北側の形が凹んでるのも気になってました。
:我々は素人で、初めての家づくりだから周りの人に良いよと言われればどうしても影響されます。僕は車社会の山梨で毎日の駐車での
  ストレスは感じたくないと考えていました。旗竿の部分が気になっていたのですが今は道からバックで入っています。今はある程度慣
  れましたね。特にストレスは感じなくなりました。前から車が来ている場合は仕方なく頭から入っていますが (笑)
:初めて土地を見たときは北側に大きく開けていて面白そうな敷地だと思いました。やはり車の切り返しは必要だと思いましたが、その
  ほかの面では可能性の方が大きく感じられました。通りから離れて静かだし、北側は畑、南側はお隣さんしか使わない通路なので落ち
  着いています。設計を進める上では面積もクランクした形状も特に不利だとは感じませんでした。

南西側外観

住んでからの不満がない!

:参考までに不満なところがあれば教えてください 。あればでいいんですが (笑)
:住んでみると不満なところとかでてくるでしょ?ってよく言われます。どう?
:なんもないね。うん。なんもない。
:周りの友達からは住んでみてやっとわかったんだけど、、、っていうことをたくさん聞くんです。でもうちはあまりそれがない。私は
  生活にはルーティンていうの?決まった行動があると思っていてそれに沿ってウチを造ると失敗しない家づくりができるのかなと思っ
  ているのですが、、、
:それは自分の生活をよく知っているということだと思います。色々明確にイメージできているから、こちらの提案に対して建設的な議
  論ができます。ここはいいけどここはこうして欲しいとか。僕の経験上、打ち合わせでたくさん議論を繰り返して出来た家はいい家に
  なります。
:名執さんや工務店の方と話しているうちに気付けたり知識を付けた部分も多かったです。
:お任せの部分が多いと後から気付くことが多いのかもしれないですね。
:そうですね。打ち合わせを繰り返し議論が多かった分、設計段階から十分に心の準備や新しい暮らしのイメージが出来上がったのだと
  思います。現場でも調整を繰り返しました。だから家は買ってはダメなんですね。設計者、施工者と一緒に考えたり造ったりしながら
  自分たちだけでは気付かなかった生活の質に気づいていける
  このことこそ我々と共同するメリットだと考えています。
:世の中にはなんでもいいという人もいるわけですよね。いいですお任せしますと言われると逆に不安になるんじゃないですか?
:値段が安ければいいという人とかね。
:お任せしますと言って頂ければ喜んで設計しますよ (笑)。その場合はお互い十分に信頼関係が成り立っている必要がありますね。や
  はり相性というのもあると思います。とにかく安くやってくれという方には住宅メーカーをオススメする場合もあります。企画化され
  たものを大量に売ることで利益を出すやり方と、多くを一品生産でオーダーしていくやり方では予算計画の面で初めから土俵が違いま
  す。お話の中でそのようなズレを感じた場合にはそれぞれの特徴を説明させていただきます。
   お互いがどんな考えを持っているかは会ってみないと分かりません。そのために事前相談とお見合い期間を設けてるんです。お互い
  に相性を確かめる期間です。
  Tさんの場合は最初からとても相性のいい建て主さんでした。こちらも楽しい家づくりでした。

住んでからの不満がない!

:参考までに不満なところがあれば教えてください 。あればでいいんですが (笑)
:住んでみるとでてくるでしょってよく言われます。不満なところとか?どう?
:なんもないね。うん。なんもない。
:よく聞かれるし、周りの友達からは住んでみてやっとわかったんだけど、、、っていうことをたくさん聞くんです。でもうちはあま
  りそれがない。私は生活にはルーティンていうの?決まった行動ががあると思っていてそれに沿ってウチを造ると失敗しない家づく
  りができるのかなと思っているのですが、、、
:それは自分の生活をよく知っているということだと思います。色々明確にイメージできているから、こちらの提案に対して建設的な
  議論ができます。ここはいいけど、ここはこうして欲しいとか。僕の経験上、打ち合わせでたくさん議論を繰り返して出来た家はい
  い家になります。
:名執さんや工務店の方と話しているうちに気づく部分も多かったです。
:お任せの部分が多い人と後から気付くことが多いのかもしれないですね。
:そうですね。打ち合わせを繰り返し議論が多かった分、設計段階から十分に心の準備や新しい暮らしのイメージが出来上がったのだ
  と思います。現場でも調整を繰り返しました。だから家は買ってはダメなんですね。設計者、施工者と一緒に考えたり造ったりしな
  がら自分たちだけでは気付かなかった生活の質に気づいていける。このことこそ我々と共同するメリットだと考えています。
:世の中にはなんでもいいという人もいるわけですよね。いいですお任せしますと言われると逆に不安になるんじゃないですか?
:値段が安ければいいという人とかね。
:やはり相性というものはあると思います。我々のような設計者と共同するメリットをわかっていただいている方と家づくりができる
  のが理想です。値段第一という方には実際に住宅メーカーをオススメしたこともあります。ゆくゆく上手くいかなくなると感じたか
  らです。それはお会いして話してみないと分かりません。話しながらお互いで相性を確かめるのが事前相談なんですね。Tさんの場
  合は最初からとても相性のいいお施主さんでした。こちらにとっても楽しい家づくりでした。

お気に入りの動線計画


 先日(写真撮影時)のお話でウォークインクローゼットから洗濯室辺りの動線計画が特にお気に入りだと伺いました。

 私たちの生活では帰ってきてまず上着を脱ぎルームウェアに着替えます。その時にわざわざ2階の寝室へは行きません。
 逆に朝起きてやることはトイレに行って、顔を洗って、着替えてご飯を食べる。うちは大体いつもこうなんです。ですから寝室の横にあるウォークインがよく分かりません。普通は一番先に着替えるんですかね?(笑)

 普通はと聞かれても困りますが、起きてすぐに着替えるのは寝巻き姿を他人に見られたくないからでしょうか?しかし、おっしゃる通り家族以外ではそんな場面はないのかもしれません。来客がわかっていれば先に着替えを済ませておだけですね。

 そうなんです。だからウォークインと洗面・洗濯室、浴室が連続している動線がとても気に入っているんです。知り合いに見せたところ同じような間取りにしたウチがもう2件あるんです

 この計画は冬を如何に快適に過ごすかから設計を始めました。その過程におい一連の動線を1階に集約したいというご望があり、それらを東側にまとめること温熱環境計画上の空気層として機能さています。
 なのでこの動線部分だけを切り取っ他の家でうまくいくかどうかは疑問です敷地の条件が異なるからです。例えばこ部分的な動線計画を取り入れることで南面するリビングが狭くなるようでは本末倒というわけです。部分の寄せ集めではく全体を総合的に判断することが大切で。今回建築全体のコンセプトと利便性が体となって実際に機能しているというの設計者としてはとても嬉しいご意見ですの計画ではそれらが上手くはまったとう感覚があります。

上:ウォークインクローゼットから脱衣洗面洗濯室を経て浴室を見る。トイレ・洗面に面する土間から入ってルームウェアに着替えてキッチンへ抜けられます。下:洗面奥にはトイレがありウォークインクローゼットへの入口があります。テレビの裏側がウォークインです。

旅館みたいと言われます


 遊びにこられた方の反応はどうですか?

 皆さん褒めてくれますね。もっとも新築の家に遊びに来て悪く言う人もいないですかね (笑) 。自分達は全く意識していなかったのですが「旅館みたい」と本当によく言われます。

 自分たちはそんなに旅館に行くわけではないので、特にそう意識したこともなかったのですが。畳が目立つからなんとなくそういうふうに言われるのかなと。

 僕の印象ですが、まず良い意味で生活感がないです(笑)。モノが少ない。以前のアパートを見せてもらった時にもモノが少なくて驚きました。収納を多くしたいと打ち合わせでよく言われますが、普段の生活で本当に要るものって実はそんなにないのでは?と思っています。収納を増やす程リビングなど暮らしの中で重要な役割を果たすべき部屋が狭くなってしまいます。ですから打ち合わせではモノを増やさない生活をお薦めすることが多いですがここは全く心配していませんでした。
 次に、設えが上手です。家具はもちろん器や小物類まできちんと選ばれています。おもてなしの精神だと思うのですがインテリアを美しく保つには大切なことです。敷地面積の減少や住宅のローコスト化により応接間などの接客用の部屋も少なくなりました。実際の機能としても必要とされなくなってきており、おもてなしの文化そのものが薄れているように感じています。
 日常の生活を美しく飾って過ごすことはなにより自分たちも気持ち良いと思います。Tさんが当たり前にされている「おもてなし」の設えが旅館の雰囲気にもつながっているのだと感じました。

土間の快適性


 計画当初からの寒さを気にされていました。モルタル仕上げの土間空間はどうですか?

 冬、休日の昼間はロールスクリーンを全開にしておくんですが、暑いくらいですね (笑) 畳で過ごす場合には障子を閉めて直射を遮ることができるので必要に応じて調整しています。

 弟が1月の中旬に来て半袖一枚でした (笑)。 今までのアパートでは有り得ないことでした。

 朝イチは確かに寒いです。でもどこでも同じというか、モルタルだから特に冷えるという感覚はありません。入浴後は暑いので冬でも土間のヒンヤリ感を楽しんでいますね (笑)

 逆にはどうでしょう?
奥・主
 涼しいです。

 足元がヒンヤリして気持ちよく過ごせます。日中は基本的にロールスクリーンをずっと下ろしていますね。

 南側には庇を大きく出して夏場の直射を遮るように配慮しています。それでも日射のきつい時期などは、スダレなどを吊るし外部で遮蔽するのが効果的です。空調機効きはどうですか?

 電気代が6,000円を超えたことがないです。主人はお風呂から上がってくるとエアコンを止めてしまいますし (笑)。吹き抜けがあることを心配していたのですがあまり気になりませんね。今は吹き抜けがあって良かったと思っています。

 安心しました。快適さは人によって異なるので心配でした。吹き抜けは風通しも良くします。空気を動かす場合には2階寝室 (北側) の窓を開けていただくと効果を実感いただけるかと思います。

悩まれた敷地選び


 家づくりが進んでいく過程で不安なところなどありましたか?

 敷地面積が52.8坪というのが不安でした(笑)。 住宅メーカーが区画で売るのは60坪ちょっとが多いんです。建坪30坪というのも周りに比べてちょっと小さい印象がありました。でもできてみると全然狭く感じない。やりようだなと思いました。

 僕の場合は家での自分の行動を考えるとゴロっとできる場所があって、あとは基本的に必要なものがあればいいと思っていたので30坪という数字でどうということはなかったですね。

 今回は土地が先に決まっていました。都内での経験から言えば敷地面積60坪だなんて贅沢だと思ってしまいます。都市部では敷地面積が30数坪という土地に様々な工夫をして家を建てています。そういった価値の比較は土地選びの段階から僕らが言えることかなと思っています。例えば路線価などから判断される不動産的な土地の価値と、建築を建ててから生活をしていく快適さという価値は異なるからです。安くてもいい家が建てられる土地と、高いうえに家を建てるのに工夫を要する土地もあるので見極めが必要です。

 よく聞くのは65~70坪で70坪あればまぁ安心だねという声が多いです。旗竿で北の形が凹んでるのも気になってました。

 我々は素人で、初めての家づくりだから周りの人に良いよと言われればどうしても影響されます。
 僕は毎日の駐車でのストレスは感じたくないと考えていました。旗竿の部分が気になっていたのですが今は道からバックで入っています。今はある程度慣れましたね。特にストレスは感じなくなりました。前から車が来ている場合は仕方なく頭から入っています (笑)

 初めて土地を見たときは北側に大きく開けていて面白そうな敷地だと思いました。やはり車の切り返しは必要だと思いましたが、そのほかの面では可能性の方が大きく感じられました。通りから離れて静かだし、北側は畑、南側はお隣さんしか使わない通路なので落ち着いています。設計を進める上では面積もクランクした形状も特に不利だとは感じませんでした。

住んでからの不満がない!


 参考までに不満なところがあれば教えてください 。あればでいいんですが (笑)

 住んでみるとでてくるでしょってよく言れます。不満なところとか?どう?

 なんもないね。うん。なんもない。

 周りの友達からは住んでみてやっとわかったんだけど、、、っていうことをたくさん聞くんです。でもうちはあまりそれがない。私は生活にはルーティンていうの?決まった行動があると思っていてそれに沿ってウチを造ると失敗しない家づくりができるのかなと思っているのですが、、、

 それは自分の生活をよく知っているということだと思います。色々明確にイメージできているから、こちらの提案に対して建設的な議論ができます。ここはいいけど、ここはこうして欲しいとか。僕の経験上、打ち合わせでたくさん議論を繰り返して出来た家はいい家になります。

 名執さんや工務店の方と話しているうちに気付けたり知識を付けた部分も多かったです。

 お任せの部分が多いと後から気付くことが多いのかもしれないですね。

 そうですね。打ち合わせを繰り返し議論が多かった分、設計段階から十分に心の準備や新しい暮らしのイメージが出来上がったのだと思います。現場でも調整を繰り返しました。だから家は買ってはダメなんですね。設計者、施工者と一緒に考えたり造ったりしながら自分たちだけでは気付かなかった生活の質に気づいていける。このことこそ家づくりの醍醐味であり我々と共同するメリットだと考えています。

 世の中にはなんでもいいという人もいるわけですよね。いいですお任せしますと言われると逆に不安になるんじゃないですか?

 値段が安ければいいという人とかね。

 お任せしますと言って頂ければ喜んで設計しますよ (笑)。その場合はお互い十分に信頼関係が成り立っている必要があります。やはり相性というのもあるんです。とにかく安くやってくれという方には住宅メーカーをお薦めする場合もあります。企画化されたものを大量に売ることで利益を出すやり方と、多くを一品生産でオーダーしていくやり方では予算計画の面で初めから土俵が違います。お話の中でそのようなズレを感じた場合にはそれぞれの特徴を説明させていただきます。お互いがどんな考えを持っているかは会ってみないと分かりません。そのために事前相談とお見合い期間を設けています。お互いの相性を確かめる期間です。無料相談会 も始めました。 
 Tさんの場合は最初からとても相性のいい建て主さんでした。こちらにとっても楽しい家づくりでした。